業務システム

社内ポータルの導入方法と、導入を内製・外製どちらで進めるか検討する際の判断基準

内製と外製、社内ポータル構築の選択肢や導入方法を解説。メリットやデメリットを比較し、成功につなげるコツを紹介。業務システムのポータル構築に役立つ情報が満載。


No.17_社内ポータルの導入方法

これから社内ポータルを構築する際の情報収集において、まずは構築方法の選択肢にどの様なものがあるのかを確認することが重要です。本記事では社内ポータルを構築する際の3つの選択肢の他に、構築を内製・外製するとどのような違いがあるのかや、内製と外製のバランスをどのように考えるとよいかを解説しています。

社内ポータルの導入方法

社内ポータルの主な導入方法には、「無料ツールを用いる」「パッケージツールを用いてカスタマイズする」「完全に独自の開発を行う」といった3つがあります。

導入方法1:無料ツールを用いて導入する

GoogleサイトやWordPressなど、無料でWebサイトを作成できるサービスを使って、社内ポータルを作成する方法です。特にGoogleサイトは、スマホで閲覧しやすかったり、Googleサービスとの連携がスムーズである他、複数人が同時にサイトを編集できるなどサービスが充実しています。しかし、無料ツールなだけに細かいカスタマイズができないなど機能に制限があり、使い勝手の面では有料版に劣る場合があることは否めません。 

導入方法2:パッケージツールを用いて導入する

パッケージツールとは、社内ポータルの構築までに必要な要素がパッケージ化されたサービスです。webサイト作成についての専門知識を持たないユーザーでも作成可能なものが多く、社内ポータルの主要機能であるチャットやスケジュール管理機能などがデフォルトで備わっているため、要件に合わせてサイト内の機能をカスタマイズすることができます。サービスの提供は月額または年額制の契約が主流なため、コストの算出も容易です。

自社が必要とする機能がバランスよく備わったサービスを見つけ、適切な要件定義を経て導入できれば、コストと利便性のバランスが取りやすい形と言えるでしょう。

導入方法3:スクラッチ開発を用いて導入する

スクラッチ開発とは、ゼロベースで社内ポータルを作成することです。完全にオリジナルなサイトを作ることができるため、自社のニーズを満たす理想的な社内ポータルを限りなく実現できる点は魅力です。ですが、費用と時間が最もかかる方法でもあります。しっかりとした要件定義を経て構築できれば、ランニングコストを抑えながら、自社の業務に合わせて実装した機能の恩恵を享受でき、利便性も抜群です。しかし初期の設計が難しく、後から追加開発が重なると、その度に費用や工数が嵩んでしまいます。

社内ポータル構築の内製・外製のメリット・デメリットと判断方法

社内ポータルの構築や運営を社内の担当者で内製するのか、それとも外部のベンダーに委託し外製するのかについては、導入時における大きな検討ポイントの一つと言えるでしょう。長期的に社内ポータルを運用してゆくことを考えると、できる限り内製化してコストを抑えたい、と考える方も多いのではないでしょうか。そこで、内製・外製2つの手法を比較し、どのようなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう。

外製と比較した場合の、内製化のメリット・デメリット 

メリット1:機能追加や情報発信をスムーズに行いやすい

新しい情報の発信にかかる作業を自社内で完結できるため、最新情報を素早く展開することができます。また、新機能の追加や、機能の改修の際にベンダーとの打ち合わせを必要としないため、社内から出た要望の反映や、修正対応をスピーディーに行うことができます。

メリット2:自社により適したシステムを構築できる

自社の状況や業務フローへの理解が深い担当者によって社内ポータルの構築を手掛けることができるため、より自社にとって使いやすいシステムを構築することができるようになるでしょう。

加えて、構築時に社内から出る要望の吸い上げや、それらをすり合わせるコミュニケーションも、プロジェクトメンバーを自社メンバーで固めていることでより円滑に進めることができるでしょう。  

デメリット1:内部の工数を大幅に消費する

特に社内ポータルをゼロから構築する場合、社員へのヒアリングや、一般的な社内ポータルの調査など、プロジェクト内の作業や検討事項は多岐に渡り、かなりの工数を要することが見込まれます。プロジェクトが円滑に進まなかった場合に備え、ある程度バッファを想定しておくことも必要です。

社内の他の業務との調整含め、自社内のみでリソースの確保が可能なのか、注意深く確認しておく必要があります。

デメリット2:利用開始までに時間がかかる

比較的扱いやすいとされるパッケージツールを使用して導入する場合でも、社内に知見を持つ社員が居ない場合、まずはツールの学習から始める必要があります。構築作業以外にも、入り口の調査や要件定義など様々に業務が付帯するため、導入までに数ヶ月単位の時間を要する場合が多いです。

また、仮に時間をかけてゼロからポータルを構築したとしても、リリース初期は思わぬバグや不良も多く発生するため、それらを修正し、社内で正常に稼働させられるまでには時間を要してしまいます。

内製化を行うかの判断基準 

内製・外製のメリット・デメリットを比較しても、全てにおいて外注を継続する場合のコストを考えると、やはりゆくゆくは少しずつ内製化しコストを削減したい、と考える企業様も多いのが実態です。

そこで、社内ポータル構築・運用の内製化に踏み切るか否かの判断を行う際の基準となる3つのポイントをまとめました。

判断基準1:社内ポータルを構築し運用を行える人材の有無

社内ポータルは最新の情報を社内向けに提供し続ける場でもあるため、常に情報が最新に保たれるようなメンテナンスが欠かせません。メンテナンスや必要に応じたバージョンアップが適切かつ十分に行われないと、社員にとって役に立たず、結果として使われないツールになってしまいます。

こうした理由から、社内ポータルの管理を専任で行える人材が社内にいるかどうかは重要なポイントです。また、自社でゼロから社内ポータルを構築する場合、初期の調査~要件定義フェーズにおいて、社員へのヒアリングや現状調査、必要な機能を洗い出す作業も必要となり、実際の構築作業以外の、プロジェクト推進にかかる作業に人員を当てがうことができるかも社内ポータル構築の内製化を行えるか否かの大きな鍵となります。

判断基準2:自社に適したツールの有無

特に社内ポータル構築の知見を持つエンジニアが居ない企業が内製化を検討する場合、社内ポータルの構築を無料ツールやパッケージツールを用いて行う場合が多いでしょう。導入前のツール選定の段階において、自社の社員のWeb技術レベルで扱うことができるツールの中に、希望する機能や使用感を実現できるツールがあるのか否か、事前に確認しておきましょう。その際、本当に必要な機能を満たしているツールの見極めが適切に行えるよう、

導入目的を明確にし、どのような機能が自社に必要かを事前に見つけ出すことが重要です。また、今後新しい機能を追加したいとなった場合の拡張性についても、併せて確認しておきましょう。今後新しい機能が欲しくなった場合に備えて、機能の拡張などが可能なのかはツール選定の段階で確認すべきポイントです。

判断基準3:導入後のコストの試算

社内ポータル導入後も、運用のための専任人材の確保や、サーバーなどの設備、ツールによっては月額/年間のアカウント代などの、様々な運用コストがかかります。また、新しい機能を開発する際の工数や不具合・社内からの問い合わせへの対応、社員に対する使い方の説明会などへの対応の発生も想定され、そのための設備投資にコストがかかる場合もあります。社内ポータル導入前の段階で、運用にかかるコストを洗い出したうえで、予算と照らし合わせながら、それらを内製化・外製化した場合それぞれにかかるコストを試算しておきましょう。

「内製と外製のハイブリット」という考え方 

内製でゼロから社内ポータルを構築しようとすると、せっかくリリースまでたどり着いたとしても、機能の不足があったり、バグの発生など手戻りの工数はどうしても発生してしまいます。一方でベンダーによる外製を行った場合でも、機能追加や情報の更新においてベンダーとの調整の時間を要したり、継続することで定期的な費用がかかり続けます。

このように、内製と外製の双方にはメリットとデメリットが複数存在するため、内製や外製のどちらかにこだわり続けるのは得策ではありません。それぞれのメリットを取り入れながら、自社にとって一番よい形を模索していきましょう。オススメは「社内ポータルの構築まではベンダーに外注し、リリース後の運用で発生する改修対応については徐々に内製化していく」という考え方です。この場合、あとから自社でカスタムしていくことが難しいツールは導入段階で避けるといいでしょう。

社内ポータル運用の内製化を目指したい場合、構築時の選択肢の1つになるのが、Microsoft社の提供する「Microsoft SharePoint」です。Microsoft SharePointはWordやExcelといったお馴染みなツールの利用のために多くの企業で導入されている「Microsoft 365」内にデフォルトで備わっているツールのため、既にMicrosoft 365を導入している企業の場合、アカウント利用にかかる費用を別途用意することなく利用開始できます。

Microsoft SharePointはローコードカスタムが可能なため、エンジニアでなくても比較的簡単に機能の変更などを行うことができます。そのため、導入後の運用保守を内製化しても、社員に高度な技術スキルを求めずに済み、専門性の高い分野の人材確保にかかる費用が抑えられます。

内製、外製を使い分けて思い通りの社内ポータルを導入しよう

より良い社内ポータルを構築するためには、自社の導入目的を明確にすることに加えて、実際の作業を内製・外製どちらで進めるのか、そのバランスをどうするかといった具体的な部分まで検討しておくことが重要です。

アドバンスド・ソリューションは、Microsoft社の提供する「Microsoft SharePoint」を使った社内ポータルの構築や「Teams」のチャット機能活用のご提案を行っています。弊社には日本でSharePointが普及し始めた当初から構築に関わっているメンバーがいて、10年以上の経験を元に提案が可能です。

社内ポータルの新規導入・既存システムからの移行やリプレイス・コスト削減にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談下さい。

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