Microsoft Copilot と Copilot Studio の違いは? Vol.2
R.I
目次
「できること/できないこと」比較から、導入準備・最小エージェント作成まで(初心者向け)
前回のVol.1では、Microsoft 365 CopilotとCopilot Studioの役割の違い、そして「業務特化型AI」を組織に展開するメリットを整理しました。
「何ができるか」のイメージが固まったところで、いよいよ実践編のスタートです!今回のVol.2では、「実際に動くエージェントをどう作るか」、そして「組織として安全に運用するために、管理者が整えるべき土台は何か」という一歩踏み込んだステップを解説します。
2024年秋に変更された最新のライセンス体系(Credits)の考え方から、権限設計、ガバナンス(DLP)、さらには最小構成での作成手順まで、現場で「ハマりやすいポイント」を凝縮してお届けします。
Vol.1はこちら↓
Microsoft Copilot と Copilot Studio の違いは? Vol.1
5. Copilot Studio でできること(基本の3要素)
5-1. ナレッジ(Knowledge):SharePoint/サイト/ファイルを参照して回答
SharePoint をナレッジに使う場合、ユーザーがチャットしている本人の権限で呼び出されるのが基本で、認証方式も設定できます。
(“Authenticate with Microsoft” が既定で使われる環境がある、などの挙動も公式に説明されています)
5-2. アクション(Actions/Tools):フローやコネクタで業務処理を実行
DLP(データ損失防止)で利用できるコネクタや機能を制御でき、組織として安全に拡張しやすいのが特徴です。
5-3. 生成AIオーケストレーション:会話の流れ(知識参照+ツール実行)をAIに任せる
従来型の“分岐フローを全部作る”より、AIが意図を解釈して知識とツールを組み合わせやすくなります(ただし運用ではガードレール設計が重要)。
6. 導入手順(個人で試す/管理者が整備する:両方)
ここからは、「個人が試せる入り口」 と 「管理者が整えるべき土台」 を分けて紹介します。
(案件が増えてくる想定で、管理者観点を少し厚めにしています)
6-A. 個人で試す(試用・PoCの最短ルート)
Step A1:Copilot Studio にアクセスして、利用できる環境に入る
Copilot Studio は Power Platform の “環境(Environment)” 上で動きます。環境にアクセスできない場合は、管理者に環境作成や権限付与を依頼します。
Step A2:小さく作る(ナレッジ1つ+質問対応だけ)から始める
最初から資料を盛りすぎると、回答がズレたときに原因追跡が難しくなります。
まずは “1資料でどこまで答えられるか” を確認してから拡張するのが安全です。
6-B. 管理者が準備する(環境・権限・統制:案件前に押さえるポイント)
6-B1. ライセンスと課金(Copilot Credits)の考え方を押さえる
Copilot Studio は利用量を Copilot Credits で計測します。2025/9/1 から“メッセージ”ではなく“Copilot Credits”が共通通貨になった旨が公式に案内されています。
また、利用形態として 事前購入(prepaid) と 従量課金(PAYG) があり、PAYG は Azure サブスクリプションで支払う形です。
ポイント
- 「まず小さく試す」なら PAYG が相性良いことが多い
- 「継続運用・社外公開」で増えるなら見積り(Credits消費)と監視が重要
6-B2. “作る人(メーカー)”の権限設計:誰がエージェントを作れるか
公式に、Copilot Studio を使う方法として 管理者がメーカーにユーザーライセンスを割り当てる、または Power Platform 管理センターで Copilot Studio authors の割り当て が記載されています。
=案件で重要なのは「誰が作れて、誰が公開できるか」を最初に決めることです。
6-B3. 環境(Environment)を分ける:Dev / Test / Prod の土台
Power Platform の環境は “アプリ/フロー/データ/エージェント” を隔離でき、検証用環境を作って最後に削除する運用も紹介されています。
案件では “既定環境で作り散らかさない” が鉄則になりやすいです(ガバナンス・監査・DLPの都合)。
6-B4. DLP(データ損失防止)で「使ってよい接続先」を制御する
Copilot Studio は DLP などのガバナンス機能で、
ナレッジソース/アクション(コネクタ)/HTTP リクエスト/チャネル公開等の制御ができる旨が公式に整理されています。
6-B5. Teams 公開に必要な“管理側の許可”を押さえる
Teams で利用するには、少なくとも エージェントを一度 Publish する必要があり、さらに 組織が Power Platform アプリを Teams に追加できる設定が必要です。
Teams で利用するには、少なくとも エージェントを一度 Publish する必要があり、さらに 組織が Power Platform アプリを Teams に追加できる設定が必要です。
日本語のサポートブログでも、Teams 管理センター側の設定や DLP(Teams + M365 チャネルの許可)に触れられています。
6-B6. 監査・モニタリング(運用で効く)
Copilot Studio は Purview の監査ログ、Sentinel 連携など、管理者が可視化・監視する仕組みを使えることが公式に整理されています。
社外公開や本番運用を見据える場合、公開前のチェックリスト と ログ確認の導線 はセットで設計するのがおすすめです。
7. 【ミニマム構成】エージェント作成手順(画面説明レベルでOK)
ここからは「最小で動く」構成で作ります。
指示文(ふるまい)+ナレッジ1つ+(任意で)アクション1つ が基本形です。
7-1. 新規エージェントを作成
- Copilot Studio で 新規作成
- 名前:例)「経費精算サポート」「製品FAQアシスタント」など
- 説明:誰向け/何をするかを一言
7-2. 指示文(Instructions)を最小で入れる
ポイントは “対象範囲” と “推測しない” を明記すること。
そのまま使えるミニマムプロンプト例
あなたは「経費精算」専用のサポート担当です。
社内手順書(ナレッジ)に基づいて、簡潔に回答してください。
不明な点は推測せず、「確認が必要」と伝えてください。
最後に、次のアクション(提出物・申請先・リンク等)を箇条書きで示してください。
7-3. ナレッジ(Knowledge)を“1つだけ”追加
例:SharePoint の手順書、製品FAQ、公開Webページ等。
SharePoint をナレッジにする場合、発話時の呼び出しが“ユーザー本人の権限で行われる”ことが基本なので、権限設計も含めて確認します。
7-4. (任意)アクションを1つだけ追加(例:申請フォームを案内/フロー起動)
ここを入れると“業務AI感”が一段上がります。
DLP で許可された範囲内でツールを追加し、実行できる形にします。
7-5. テスト(最低3パターン)
- ナレッジに書いてある質問
- ナレッジにない質問(推測しないか)
- あいまいな質問(聞き返せるか)
初回実行時は自分の権限を使用してもいいかの確認が入ります。
今回参照するSharePointリスト
1.リスト名を指定してナレッジに書いてある内容を質問した場合
2.リスト名を指定してナレッジに書いていない内容を質問した場合
3.SharePointリストを指定せずに質問した場合
7-6. 公開(Publish)→ Teams で使う(チャネル接続)
Teams で使うには、少なくとも一度 Publish が必要です。
また、組織の設定として Power Platform アプリを Teams に追加できる許可 が必要になる場合があるため、うまく出ない場合は Teams 管理者に確認します。
8. (補足)最新プレビュー:Computer use(PC操作の自動化)について
Copilot Studio には、Windows の画面を見てクリックや入力を行う「computer use(プレビュー)」があり、API の無いレガシーシステム/サイトも自動化できる可能性があります。
一方で、プレビュー機能である点、そして 米国リージョンの環境で利用可能と明記されている点には注意が必要です。
また管理者は、環境設定で computer use を無効化する等の制御が可能です。
本番適用は、要件(セキュリティ/運用/リージョン)を整理してからが安全です。
まとめ:案件が増えるほど「管理者の土台」が効く
- Copilot:個人の業務支援(使う)
- Copilot Studio:業務専用AIを作り、Teams/Web等に公開し、運用する(作って配る)
そして、案件として伸びやすいのは後者です。
だからこそ 環境(Dev/Test/Prod)・権限設計・DLP・Teams公開手順・監査 を先に押さえると、導入が格段にスムーズになります。
ADSでは、こうした最新技術の検証と導入支援を日々行っています。「自社の業務にどう当てはめるべきか?」と迷われた際は、ぜひお気軽にご相談ください!
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