大手法律事務所導入事例:Outlookアドイン開発による弁護士工数管理の完全自動化
アドバンスド・ソリューション(ADS)
Microsoft 365の導入が進む中で、既存の業務プロセスをいかにモダンな環境へ適応させるかは、多くの企業が直面する課題です。特に、一分一秒を争うプロフェッショナルな現場では、システムの移行が業務の停滞を招くことは許されません。
今回は、2024年1月から7月にかけて弊社が取り組んだ、400名規模の大手法律事務所様における「行動経過入力(タイムチャージ)管理」の刷新事例を紹介します。
プロジェクトの背景と課題
本プロジェクトにおける顧客様はこれまでNotesを基盤とした稼働状況管理を運用していましたが、全社方針としてMicrosoft 365への移行が決定しました。移行にあたり、以下の3点が大きな課題となっていました。
- 入力負荷の最適化:弁護士が日常的に使用するOutlook上で、既存のNotes運用と同等以上の使い勝手を実現すること。
- 請求システムとの自動連携:入力されたデータをタイムラグなく請求システムへ反映し、手作業による転記を廃止すること。
- 厳格なセキュリティ要件:法律事務所が扱う極めて機密性の高い情報を、Azure環境下で安全に管理・運用すること。
解決策:OutlookアドインとAzure PaaSの統合
弊社は、Microsoft 365の標準機能だけでは補いきれない細かなニーズに対し、独自開発によるカスタマイズを提供しました。
1. Outlookアドインによる直感的な入力環境
弁護士が最も多くの時間を費やすOutlookの画面上に、専用のアドインを組み込みました。案件コードや作業内容、時間を最小限のステップで入力できる設計にすることで、業務を妨げないシームレスな体験を実現しています。
2. Azure PaaSを活用した高セキュアなバックエンド
バックエンドにはAzure App ServiceとAzure SQL Databaseを採用しました。Azure Active Directory(Microsoft Entra ID)と連携した認証機能を実装し、400名のユーザーが同時に利用可能なスケーラビリティと、強固なデータ保護を両立させています。
3. リアルタイムな可視化と経営判断の迅速化
入力されたデータは即座に集計され、管理者向けのモダンなダッシュボードで可視化されます。これにより、事務所全体の稼働状況や案件別工数をリアルタイムで把握することが可能となりました。
導入プロセス
プロジェクトは以下のステップで、要件定義から運用保守まで一貫してサポートしました。
1. 現状調査・ヒアリング:弁護士の業務フローと法務部門の運用ルールを詳細に調査。
2. 要件定義・設計:アドインのUI設計およびAzure上のセキュリティ設計の策定。
3. 開発・テスト:Outlookアドインの開発とAzure環境の構築、入念なセキュリティ検証。
4. ユーザートレーニング:弁護士向けの操作説明会および管理者向け研修の実施。
5. 本番運用・保守:2024年7月より稼働開始。継続的なシステム監視とサポートを提供。
成果と今後の展望
本プロジェクトの完了により、工数入力にかかる時間は大幅に短縮され、請求業務の自動化による事務コストの削減も実現しました。また、Azure PaaSの高度なセキュリティ機能により、厳格な情報管理要件を完全にクリアしています。
アドバンスド・ソリューションでは、Microsoft MVPをはじめとする技術者集団が、お客様の業務に寄り添った最適なソリューションを提案します。既存システムの移行やMicrosoft 365の利活用でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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